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[3]健やかな就労観は健やかに概念を持つことから


Q:―――研修における講義は何が特長か?

「この世に事実はない。あるのは解釈だけだ。」(ニーチェ)―――そんな名言があります。

確かに私たち一人一人は、解釈や概念で各々の人生を生きています。同じ状況に接していても、ある人はそれを苦痛と感じ、ある人は平気でいられる。同じ困難に遭遇しても、ある人は「もうだめだ」と萎えてしまい、ある人は「面白い挑戦だ」と立ち向かう。……これらの差は何で生じるのでしょうか?

その差は、状況をどう解釈したか、物事をどういう概念でとらえているか、によって生じると言えるでしょう。

ですから、私たちは長き職業人生を健やかに歩んでいくために、健やかな解釈、健やかな概念をもつ必要があるのです。

キャリア・ポートレートコンサルティングが開発する研修講義は、きちんとした就労観づくりを目指して、働くことの根っこにある基礎的な概念を取り上げ、できるかぎり普遍的な目線からその解釈を提示していきます。

例えば、「目標と目的の違い」を考えるセッションの講義スライドの流れは次のようになっています。(実際の研修よりやや簡略化)

[Slide 01] 「目標」と「目的」の違いは何でしょうか───? 目標とは、簡単に言えば、達すべき数量や成すべき状態のこと。 それらはたいてい、定量・定性的に表わされます。

そして、そこになぜそれをやるかという意味が加わり目的となります。

[Slide 02] その理解を深めるために、「3人のレンガ積みの話」を紹介しましょう。

[Slide 03] さて、彼ら3人それぞれの「目標」・「目的」は何でしょう?

目標とは、達すべき数量や成すべき状態のことでした。 レンガ積みとして雇われている3人の男たちの目標は同じ(共通)です。

しかし、その作業に見出している意味は三者三様です。 3人は外見的には同じ作業をしていますが、心の内に抱く目的は、天と地ほど異なっています。

[Slide 04] 中長期のキャリアにおいて、「目標疲れ」することが起こります。 それは、その目標が他から与えられたものだからです。 もし、その目標に自分なりの意味を付加して、目的にまで昇華させたなら、 「目標疲れ」は起きません(もしくは、ぐんと軽減されるはずです)。 むしろ、大きな意味を付加すれば付加するほど、 大きなエネルギーが湧いてきます。